(8) ピーク波長と放射エネルギー分布
ピーク波長とは黒体において放射エネルギーが最大になる波長のことである。処理物の最大吸収波長に合わせてWienの法則から黒体のピーク波長を求めて(下図)その温度で遠赤外線ヒーターの温度を決定する場合があるが、それは間違いである。あくまでPlanckの法則で考え計算すべきである。
どの温度でもピーク波長の短波長側の放射エネルギー量は全放射エネルギー量の25%しかな<、75%は長波長域の放射エネルギーとなっている。
下図からみても遠赤外線ヒーターであれば1000°Kまでは遠赤外域のほうが多い。
ちなみに表面温度800° K(527゜C)の遠赤外線ヒーターの3μ以上の放射エネルギーは、全放射エネルギーの80%以上となる。
従って遠赤外線ヒーターを使用し、処理物を目的の温度に加熱できるヒーター温度を決定すれば効率の良い加熱ができることになる。
■ 黒体の放射発散度