14.被加熱物の吸収帯に合致する遠赤外線ヒーターのピーク波長でヒーターを選定すべきですね。
各遠赤ヒーターメーカーから分光放射率カーブを取り寄せ、そのピーク波長と自社の加熱物の吸収体と比較しヒーターを選定している場合がありました。
これはWienの変位則の誤った用い方です。
λT=2898μm・Kから求められる黒体での放射エネルギーが最大の波長でありますが、実際には積分放射エネルギーはその波長より短波長側が25%、長波長側が75%なる点でありどのピーク波長においても同比率です。従って遠赤外線ヒーターを使用する場合、ピーク波長に重点を置くのではなく被加熱物を効率よく加熱できる温度を探るほうが実際的です。
ピーク波長にとらわれると必要な温度とはかけ離れた処理温度になり、遠赤外線加熱は駄目である結論になるかもしれません。