6.水分乾燥に遠赤外線加熱が良いといわれる理由を教えてください。
遠赤外線加熱とは電磁波の吸収による物体の格子振動や分子振動の励起と言われています。水においてはH2OのO-H結合の対称・非対称伸縮運動は 2.73と2.66μであり約3μです。O-H結合2ヶの対称変角運動は6.27μで約6μと覚えてください。
12μ以上の所にある幅のある吸収は分子間の振動です。 水分の乾燥には 3・6・12以上の放射波長が必要で、そこで振動が励起されエネルギーが吸収され発熱し伝達される訳です。
すなわち遠赤外線加熱が有効である理論となっています。ただこの基準振動モード3種はよく知られているところですが、水分子はエネルギー状態が異なるいくつかの水素結合状態にあります。
水は実際にはクラスターとして存在し高分子物質とみても域的に吸収帯を持ちます。水への吸収が良いため水分乾燥への遠赤外線加熱は有効です。
ただ平均されない水、例えば洗浄後の転々と残っている水滴は不均一な加熱になりますから水切りをしてから乾燥してください。そうでなければ水滴の部分の加熱は遅くなり他の部分が過熱となります。