38.温度センサーは何を使用すれば良いですか。
よく使用されるのは熱電対と測温抵抗体です。
【 熱 電 対 】
熱電対は2種類の金属で閉回路を作り、その接点に温度差がある場合閉回路内に電流が流れます。
接点の一方を熱接点、片方を出力部とすれば温度に応じた起電力が発生し電流に応じた温度が出力部で分かります。
現在8種類の熱電対がJISで規格化されていますが、よく使用されているのが、K熱電対とJ熱電対です。
K熱電対のエレメントはクロメルNI・Cr合金(+)アルメルNI・AL合金(-)で測定範囲は1200℃までですが還元雰囲気には弱い欠点があります。安いのが特徴です。
J熱電対は鉄(+)コンスタンタン(Cu・Ni合金)(-)で測定範囲は750℃以下ですが、還元性雰囲気には強い特徴があります。
起電力が高く分解能も優れているタイプです。
ヒーターに埋め込まれる以外、センサー保護のため通常使用されるのは金属細管(シース)に高熱伝導、高耐熱性があるMgOとともに密封されているシース型熱電対です。
最も多く使用される理由は機械的強度を持たせるためと酸化・還元性雰囲気からの保護と非接地型とした場合ノイズに影響されず使用できることです。
【 たまに見かけられる間違った使用例 】
- 熱電対と補償導線の接続点は同一温度の場所以外では温度に狂いが生じます。
- 補償導線を使用せず、電線で結線している例を見受けますが正しい温度は表示されません。
【 測温抵抗体 】
金属はわずかの温度変化で電気抵抗が変化しますが、直線的に安定して変化するのが白金Ptです。
測温部の白金素子部は1000℃の耐熱性がありますが、熱電対と同様シース型センサーに仕上げると650℃以下が常用となり、200℃を超えるとシース系が細いと内部の白金や銅線が細くなりシースの熱膨張により不具合が生じる例があります。
特徴としては高精度の測定が得意であるが、比較的低温で使用され工業炉には使用されません。
補償導線は使用しません。
※測定計器は熱電対と測温体では共用できません。