(7) 放射率
熱(電磁波)を受けると反射するもの(反射率α)、吸収するもの(吸収率β)、透過するもの(透過率γ)があり下記の計算式となる。
α+β+γ=1
反射なし(0)透過なし(0)ですべて吸収する理想物体を黒体という。すなわち 0+1+0=1 吸収の逆数が放射であるから放射率1の物体を黒体という。黒体との比較で放射率を言うので他の物質の放射率は1以下となる。放射率が1に近いほど黒体に近いので熱放射し易い。
発熱体ごとの放射率の差異を簡易的に見るには同形状の同ワット密度( W/cm2 )の発熱体の表面温度を測定すれば推測できる。
赤線は放射率0.9の遠赤外線ヒーター、青線は放射率0.2のステンレスヒーターの表面昇温カーブである。
放射率の低い発熱体は表面からの放射が少なくまた表面に接触した空気への熱移動しかないので蓄熱し易く内部温度が上がり表面温度も高くなる。それに対して遠赤外線ヒーターは表面からの放射が大きいので蓄熱も少なく表面温度は低めになる。