5.人体を温める場合、皮膚へはどんな作用が起きるのでしょうか。
赤外線が皮膚に放射されると可視光(~0.78μ)や近赤外線(0.78~2.0μ)では反射率が高い。透過率を見ると近赤外線は20%ほど1mm内部まで透過・吸収されている。すなわち近赤外線は人間の皮膚に対して反射率も透過率も高いのが特徴であります。
2μより長波長になると反射率は低くなり吸収率が高くなる。長波長赤外線は反射率が低いためほとんどが皮膚のごく浅いところで吸収されます。
皮膚の温度感知部は0.3mm以内の浅いところにあることが多い。従って遠赤外線は皮膚の表面近傍でほとんど吸収されるので暖かく感じます。
近赤外線は温度感知部が暖かいと感じたときは皮膚はひりひりするまで熱せられているかもしれません。ただ近赤外線の熱源の温度はかなり高いため焼き過ぎになっていることが多いようです。
同じエネルギーを与えた場合、遠赤外線は殆ど吸収され熱伝導で内部まで浸透していくが、近赤外線は反射率が大きいため内部まで透過吸収される熱量は小さいとも言えます。