31.遠赤外線ヒーターの放射体は何でできているのでしょうか。

工業用放射体として重要な性質は 分光放射率・耐熱性・熱衝撃性・機械的強度等であるといえます。
遠赤外線放射体としては 黒体のように全波長領域においてフラットに放射率の良いものと4~5μ以上の波長域において放射率の良いものとの2種類のヒーターが現存します。
それを区別するため前者を黒体型ヒーター、後者を遠赤外線ヒーターと呼ぶ場合があります。
しかしどちらも遠赤外線ヒーターと呼ぶのが一般的です。
遠赤外線放射体として多く使用されているのはセラミックスです。
ジルコニア、アルミナ、チタニア等を主成分とするセラミックスで4~5μ以上の波長域の放射率が高く遠赤外線放射体に属するものです。
すなわちコージライト、β‐スポンジューメン、チタン酸アルミ等があります。
またセラミックヒーターの表面にさらに酸化リチュウム等を加えた釉で施釉した放射体も報告されています。
しかし黒体に近い放射率を持つものが望まれ、それには遷移元素酸化物を配合すればよいと古くから考えられていました。
2酸化マンガン、2酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロム等の酸化物の2,3種類の焼結体を粉砕し、耐熱無機塗料として実用化されました。
3~5μ領域の放射率が黒体に近くなり現在も使用されています。黒体型放射体といっています。