33.セラミックヒーターの表面の材質は何ですか。
湯飲み茶碗やコーヒーカップの表面はつるつるしていますが、これは汚れにくくするためや水のしみ込み(吸収)を防ぐためまた強度を上げるためや装飾のために、うわぐすりを塗っているためです。
陶磁器の表面にあるうわぐすりを釉薬といい、塗布することを施釉といいます。
施釉する前の陶磁器は素焼きです。
素焼きに施釉し本焼きすると陶磁器の表面はガラス層になります。
釉薬は釉薬を溶かす石灰質材料と素地と接着させるアルミナ系材料とガラス質になるシリカ系材料から作成します。
材料としては長石、石灰、カオリン、珪石、マグネサイト、ジルコン等があります。
陶磁器の素地は 粘土質と長石、珪石等でできているので釉薬の成分もそれに近いと安定性が良くひび割れしたり剥離したりしません。
いわゆる相性が良いということになります。
陶磁器に使用される釉薬の種類は多数の種類があります。
焼く温度による種類、長石が主原料の志野釉、
植物由来の灰と土石類からできる青磁釉、
無色の透明釉、
釜で自然につく自然釉、
色別では銅化合物から作る銅釉、
鉄化合物からできる鉄釉等酸化金属からできる色釉があります。
工業用セラミックヒーターも素地と釉薬から構成されています。
陶磁器と違うところは熱源として24時間365日使用で何年も故障なく使えなければなりません。それには素地も釉薬も耐熱性・熱衝撃性、長寿命、機械的強度、クリーン性等備わっていなければなりません。
そのために各社、成分の配合や材料等特許、ノウハウによって押さえています。
さらに金属酸化物や遷移元素等加えることにより遠赤外線放射率の良いヒーターとなります。